(一社)日本歯科技工学会
会長 石川功和
この度一般社団法人 日本歯科技工学会の会長を拝命いたしました石川功和です。この場をお借りしてご挨拶させていただきます。2019年に発生しましたコロナ感染症の終息はいまだ報告されておりません。当初は未知の感染症,人類の存続の危機かとまで言われましたが予防の徹底,ワクチン接種などで確実に収束に向かいつつあります。
当日本歯科技工学会においてもこの3年間は学会運営にも影響し,学術大会も対面でなくオンライン,理事会等の会議もオンラインで開催しておりました。オンラインでの会議を始めたころはもちろん皆さん不案内で戸惑っておりました。コミュニケーションが取りづらい,発言をためらうなど利点より欠点が目立ちました。しかし物事,欠点ばかりではありません。オンライン会議においても各役員の移動がないことで経費の削減,会務への負担軽減,会議の進行が簡潔に行えるなどの利点も見えてきました。
何事にも新しいことを始めるにあたって既存のシステムからの脱却は勇気のいるものです。しかし時代の流れ,人心の様変わりにも組織としては対応していかなくてはなりません。
おりしも歯科界は産業革命にも匹敵する大きな波,「デジタル」が押し寄せてきています。この波は確実に個人事業者,技工所経営者,さらに勤務者である歯科技工士個人にもおよび,それぞれの立場での対応が求められております。そして「デジタル」の影響は技工机の上での技工作業だけでなく,物流,工程管理,経理,人事にまで及んできます。
日本歯科技工学会は歯科技工士だけの学会ではなく,歯科技工士のみならず歯科医師,歯科衛生士,医療関係者などの職の隔てなく語れる場,チーム医療を具現する場となっております。さらに学術大会を毎年1回開催,学会会誌を年2巻発刊しておりますが是非とも,日本歯科技工学会を情報の収集,意見の交換,切磋琢磨する場としてご活用いただく事を望んでおります。
2022.8.4